主宰:はぶ さきこ

来歴

東京都多摩地区生まれ多摩地区育ち
多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科卒業

大学在学中より、時に並行しながら

  • 幼稚園補助(計2年)
  • 美大進学予備校実技講師(計10年)
  • 子どもの造形教室(調布市:星のアトリエ)アシスタント(計5年)

を務めました。
その傍らフリーランスでCD・グッズ等デザイン、Tシャツデザイン、WEBショップ運営を経て一般企業勤務を経験後、2022年親戚やきょうだいも多く暮らすゆかりの地にアトリエを開きました。

・感覚を大切にしながらも、論理的な説明や会話を通して生徒が納得できる授業が得意です。
・果物や音楽、園芸が好き。詰替作業や穴掘りも好き。寒さにはすこぶる弱い。

メッセージ

【人生を豊かにする原体験の場】

 私は生まれつき、そして今でもかなりの不器用なのですが、小さな頃から姉弟と一緒に作り上げたオリジナルの遊び、庭遊び、文章や絵などの創作活動が日常的にあり、成果はどうあれその活動自体を肯定される世界で育ちました。小学校では工芸クラブ、中学校では家庭部、高校では美術部で創造することに執着し、美大を目指しはじめてやっと作品の良し悪しやクオリティへの責任について意識したように思います。
 私は何らかの問題、あるいはただの遊びに近い衝動を解決する糸口として、手や頭を動かすことが結果的に心に豊かさをもたらすことであるという原体験を持ち、そのことがその後の人生をどれだけ創造的かつ建設的に形づくるかということを知っています。まずはこどもたちにそのような原体験の場を提供できればと考えたのがatelier2266です。

【AIに負けない人間力を育てる】

 私が多摩美でグラフィックデザインを学んだ時代は、高価だったMacは大学に何台もなく、印刷業界も紙の版下で写植指定などのアナログが主流でした。そこからのデジタル化を現場で体感した世代です。現在これだけデジタルが当たり前になったグラフィックデザイン科でも、受験には国語と外国語の学科に加え、鉛筆を使ったデッサン、絵の具を使った色彩構成が求められます。なぜでしょう。
 さて、令和のこどもたちは、大人になってAIが今以上に台頭する未来にそれぞれの職務でどんな風にAIと仕事を分け合い、どんな風に働くのでしょう。今と案外変わらないことってどんなことでしょう。
 お絵描きや工作の教室に通ったからといっても将来選ぶ道はもちろんきっとそれぞれで、お子さまが小さいうちならなおさら多くの可能性が広がって想像もつかないのが一般的かと思います。
 どんな生き方を選んだとしても、時代の変化も柔軟に楽しんで対応する人間を育てるには?AIがかなわない能力ってどんなこと?atelier2266ではカリキュラムを考えるときに、そんなことも念頭においています。

【作品の観方がわからなくても】

 時にこどもの作品を見て大人が「かなわないな」と思われることがおありではないでしょうか。その通り、熟練の絵描きによる作品でなくても「良さ」は当たり前に存在します。目に見える色彩や線のかたちであったり、筆の勢いから見える迷いのなさであったり、初めて挑戦した勇気の痕跡という名の失敗であったり・・・
 まず本人に制作中の楽しさや、制作直後の達成感を感じてもらうことが何よりですが、制作後にお迎えにいらした保護者の方々にも、その場で必ず時間をとって頂き、見せたい気持ちや聞かせたいお話を受け止めていただくことが、本人の成長の上でとても大事になってきます。
 できるだけ素直でポジティブな言葉をかけてあげたいところですが、褒めたいけれどどこを褒めたらよいのかわからない、保護者目にもなんかいいなと映るけど根拠がないので自信がない・・・ということもあるかもしれません。美術方面はさっぱりわからないとお嘆きの保護者の方々にも、まずはその苦手意識を取り除き言語化のお手伝いをして作品を一緒に楽しんで頂けるように、スプレッドシートと写真を使用した毎回の授業報告やSNS発信等で情報を共有することを心がけています。

【表現の技術とものの見方】

 本人の主体的な学びの姿勢とそれに呼応する道具の使い方や表現の技術をプラスしていくと本人の楽しさにも相乗効果が生まれてきますが、特に幼少期にはいわゆる小手先の巧さのみにとらわれないよう気をつけたいものです。小手先の巧さは専門外の指導者や保護者にもわかりやすく映る傾向にあり、評価ができるような気になってしまう落とし穴です。しかし、表現の技術はものの見方も一緒に熟していかないと総合的な成長が難しくなります。作品や制作姿勢から良さを見つけることのできるプロが慎重に見極め、都度適切に誘導することが必要と考えます。

【こどもと大人のアトリエ】

 atelier2266ではこどもだけでなく、ワークショップなどで大人にも低い入り口を設けていく予定です。そもそもこのアトリエは、私のセミプライベートアトリエでもあり、思いついたことを気軽にかたちにするための場所なのです。
 発表するとなればまた考えるべきことも増えますが、肩書きが何か、仕事として成り立つのか、フォロワー数が何人か・・・ということ以前に本人にとって充足した創造や挑戦の場を生活の中でもつことは、こどもだけでなく大人にとっても同様に大きな意味があると考えます。新しいものの見方を柔軟に取り入れたり、ちょっとした体験で自信がついたり、ということを大人になっても大切にしながら暮らすことは残りの人生を何倍にも膨らませます。お子さまが小さいとなかなか難しいかもしれませんが、ご都合がつきそうな時には是非ページを覗いてみてご参加ください。